
隣地はどんな人?隣地の建物は新居に影響する?その対処法を解説!
隣地はどんな人?隣地の建物は新居に影響しない?対処法を解説します!
家を建設したい人にとって土地選びは最も重要な要素の一つです。駅からの距離はどのくらいか、小学校・中学校区は
今と変わらないか、スーパーまで近いか、日当たりはどうか、車は2台駐車できるか、前の道は広いか、などなど・・。
土地を選ぶ際に考えなければならないことはいっぱいありますが、そのうちの一つが「両隣にどんな人が住んでいるか」
「両隣はどんな建物か」などの相隣関係です。それでは、それぞれどうやって確認すればよいのでしょうか?
以下、関西最大級の新築建売会社の審査担当者であった筆者が経験をもとに解説します。
・「両隣にどんな人が住んでいるか」
土地を探している人にとって、非常に関心の高い項目ではないでしょうか?
筆者は前職で物件調査中に斜め向かいの家から突然コワモテの方が飛び出してきて「おまえ、ここで何しよんや?」
とすごまれ、対応に困ったことがあります・・

では、どうやって隣地の人柄を確認したらいいのでしょうか?まずは現地に行って以下の点に注意して両隣の家を
見てみましょう。筆者が前職において物件審査で考慮していたポイントです。
(以下②③に該当してもいい人もいますので、あくまで参考程度に考えてください)
☆隣人チェックのポイント☆
①外回りがきれいに清掃され、庭も管理が行き届いている
→周りからどう見られるかを気にする=人付き合いも気を遣う
②郵便ポストがあふれている
→市役所や銀行からの重要書類の扱いがずさん=人間関係もずさんな可能性?
③自転車や花壇を前面道路に並べている
→他人が通行・駐車しにくくなってもかまわない=隣人トラブルが発生しやすいかも?
また、新築建売を購入するのであれば、隣地との境界フェンスがコンクリートブロック2段+60cmフェンス
(もしくはコンクリートブロックのみ)になっているかをチェックしてもいいでしょう。これは建売の
標準的な間仕切りフェンスです。建設するにあたって隣地住民から特別なフェンス等を要求されたたわけでは
ないと判断できます。逆に新築建売で新たに背の高い目隠しフェンスを建売会社が設置している場合は
隣地住民と建設中にトラブルになり特別に設置した可能性があります。目隠しフェンスが設置されている
場合は設置した経緯を建売会社に確認するようにしましょう。
・「両隣はどんな建物か」
「両隣はどんな建物か」と聞かれても、なぜ問題となるのかピンとこない方も多いと思います。なぜチェックが
必要なのか、以下解説していきます。
①境界から50cm未満に隣地建物が建っている
民法234条1項では隣地境界から50cm未満の距離に建物を建ててはいけないと規定されています(例外あり)。
ただし、昔の建物は50cm未満の距離に建設されているものも多いのが現実です。しかしながら、あまりに
隣地建物が接近していると採光が取れず、部屋が暗くなってしまいます。隣地建物が接近している土地を
選ぶ場合は部屋の明るさはどれくらいになるのか、十分に確認する必要があります。

写真の左側の建物は境界から20cm程度しか離れていません。このような土地を検討する場合、採光が確保できるか
建設会社と十分に打合せをするようにしましょう。
日当たりを重視するのであれば、根本的対策として外壁後退1mが定められている第1種低層住居専用地域に絞って
土地を探すのもいいでしょう。
②隣地建物の屋根や木の枝が越境している
隣地から越境物があると建設に影響するだけでなく、不動産価値の下落にもつながります。対策はしっかりしましょう。
越境物は主に以下のようなものがあります。
①木の枝
②屋根
③雨樋
④水道管
⑤汚水桝
⑥エアコンの室外機
⑦プランター、鉢
⑧電線
⑨擁壁
⑩ブロック塀
それぞれの対処法を解説していきます。
①木の枝
隣地から境界を越えて入ってきている枝は2023年4月の民法改正で、越境された側が枝を切るよう催告しても
隣人が応じない場合、自ら越境した枝を切ることができるようになりました(民法233条3項)。ただ、土地を
決済するまでは所有者ではないため、越境している枝を切る権限はありません。そのため木の枝が越境している
土地を契約する場合は、売買契約書の特約に「売主はその責任と負担において、決済日までに隣地からの植栽
越境を解消することとする」と記入してもらうようにしましょう。これで現所有者である売主に責任を持って
越境を解消してもらえます。
②屋根、③雨樋、④水道管、⑤汚水桝、⑨擁壁

上記の写真は隣地屋根が10cm程度越境しており、是正は困難です。同様に雨樋、水道管、汚水桝、擁壁等の
是正も難しいです。自分の土地に越境してきているものは不動産の権利を侵害しているということなので、
是正してもらうのが基本です。しかしながら、屋根や擁壁を是正するとなると多大な費用と時間が必要で、
現実的ではありません。そのため、実務では「将来撤去の覚書」を交わすことが多いです。
これは「次に建物を建て替える際には境界線からはみ出さないようにして建築することを約束する」書面です。
書面は隣地所有者が変わっても内容を引き継がれる内容にしておきましょう。越境していることをそのまま
容認してしまったら、不動産の価値が低下したり、次に売るときに自分が将来撤去の覚書を隣地所有者と
取り交わすことになってしまいます。こちらも売買契約書の特約に「売主はその責任と負担において、決済日
までに隣地所有者から越境物の将来撤去の覚書を取得するものとする」と記入してもらうようにしましょう。
下記は実際に使用していた隣地・売主共に越境物がある際の将来撤去の覚書です。参考にしてください。

意外に多いのがエアコンの室外機です。これは工事で越境しないように手直し可能であることが多いので、
売買契約書の特約に是正を条件とするよう記載してもらいましょう。しかし、どうしても手直しができない
場合はどうすればいいでしょう?筆者は変更契約書を交わして是正条件を特約から外し、将来撤去の覚書を
売主に取得してもらって対応したことがあります。契約書通りに全てが進まないこともありますので、参考に
してください。
⑦プランター、鉢
プランターや鉢は動産で移動が容易です。隣地住人の意思だけの問題ですので、売買契約書特約に是正を
決済条件として入れてもらいましょう。万が一隣地住人が拒否した場合、その土地は購入しない方がいい
です。簡単に移動できるものを移動せず隣人に迷惑をかけるなら、今後もトラブルは続く可能性が高いです。
⑧電線
電線が敷地内の空中を通って隣地に引き込まれているケースは多いです。電力会社に連絡すれば是正して
もらえます。こちらも売買契約書特約に是正条件として記載してもらいましょう。
⑨ブロック塀
越境しているブロック塀がA:隣地のものなのか、B:共有物なのか によって対応が違います。
筆者は実務でそれぞれ以下の通り対応していました。
A:隣地所有のブロック塀が越境している場合、将来撤去の覚書で対応
B:共有物の場合、共有物であることの確認書の締結(ブロック塀所有権のトラブル防止)
下記は筆者が実務で使用していた共有物であることの確認書です。参考にしてください。

相隣関係は自分ではどうすることもできない要素も多いので、慎重に調査・判断するようにしましょう。
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